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なんくるないさ。  2005/09/04(Sun)
「釣狐」 雑感  2005/08/31(Wed)
出雲大社 in 堺市  2005/07/16(Sat)
世界4大喜劇〜イタリア編〜  2005/07/07(Thu)
7月5日 愛・地球博 記念公演  2005/07/06(Wed)
金沢にて〜後半戦・百万石祭り〜  2005/06/10(Fri)
金沢にて〜前半戦・市内小学校〜  2005/06/10(Fri)
渋谷狂言ライブ〜藤九郎を観る会〜  2005/05/31(Tue)
稽古着も衣替え  2005/05/19(Thu)
5月3日〜宇多須神社〜  2005/05/10(Tue)
加賀能登狂言教室 温習会  2005/04/18(Mon)
髷が結えるまで  2005/03/26(Sat)
きょうげん・きょんぎん・ちょーぎん  2005/03/13(Sun)
シェイクスピア・カントリーパーク〜その2〜  2005/03/12(Sat)
シェイクスピア・カントリーパーク〜その1〜  2005/03/11(Fri)
2月狂言ライブを終えて  2005/02/19(Sat)
狂言デジタルマンガ  2005/02/17(Thu)
福笑いトーク  2005/02/11(Fri)
元日の風景  2005/01/02(Sun)
謹賀新年!  2005/01/01(Sat)
公演終了!  2004/12/09(Thu)


  なんくるないさ。
今日は、「第16回板橋狂言への招待」。

地元・板橋区は成増区民会館、アクトホールで毎年恒例の公演です。
今年の目玉は、コラボレーション狂言「畠廻るい」。
「ぱるいまーるい」と読みます。

石垣島に伝わる「きょんぎん」と「きょうげん」のコラボレーション作品です。
このコラボレーションについては、以前の日記にも書いたと思うのですが
石垣の囃子、島歌が入り、狂言の面白さに、さらに明るく楽しい雰囲気が加わります。

今回、お囃子で出演してくださった方のお1人は、石垣島出身で西宮にお住まいの方なのですが
なんとつい先日、退院されたばかりなのにもかかわらす、この舞台のために
はるばる成増まで駆けつけてくださいました!
本当にありがたいかぎりですし、1日も早いご回復を祈らずにはいられません。

そして、御礼かたがた、精神的にも強い方だなあと、感動しつつお話を伺ううちに

「なんくるないさ」って言葉があるんです、と教えてくださいました。

どんな壁にぶつかっても、なんとかなるさって意味です、と。
ふむ、壁にぶつかること…けっこうあります(笑)。
もちろん、どうにかして乗り越えるんですが、ぶつかった瞬間にこう思えたら、強いだろうなあ、と思いました。
これからは、壁にぶつかった瞬間、「いてて。」と思ったり弱気になったりする前に
「なんくるないさ」ってつぶやこうと思います。

なんくるないさっ!
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Date: 2005/09/04(Sun) No. 99


  「釣狐」 雑感
第129回和泉会。
「Blue Heaven Project」と名づけられたシリーズ第3弾、
秘曲「釣狐」、宗家による上演は、東京では実に15年ぶりのことでした。

「釣狐」については「オススメの演目」ページで紹介していますので
基本的な話はここでは置くとして。

稽古を通して、だんだんと宗家が「狐」に近づいていくのを感じました。
「演じる」というのとは違う、本当に、近づいていくのです。
そして、最後は「狐になる」。

それが、今日の舞台だったと思います。

「釣狐」の登場人物は、2人。 狐と、猟師です。
今回の公演では、姉が猟師を勤め、私は後見をさせていただきました。
大曲・秘曲の後見は、舞台に上がるのと同様、いや、もしかしたらそれ以上に
緊張するものかもしれません。

シテの装束付けから、出入りの幕、お道具の取り回し…。
一曲全体の進行はもちろん、細かな間の部分まで、頭というよりは、身体に。
身体というよりは感覚に、沁みこんでいなければいけない、と思うのです。

何をしてから何をする、という段取りや手順だけでなく、それをするためにどう動くべきか
どう動けば舞台は美しく見えるのか、ということを解っていなくてはなりません。
それは、その都度に考えることではなく、自然な動き、瞬間の判断の中に
あるべきものだと思っています。

後見には後見の、とてつもなく大きなこだわりとやりがいがあります。
それぞれが、それぞれの立場で、正しく美しい働きをする。
それは、狂言師としてのプロ意識でもあると思うのです。


自分は「隠狸」のシテも勤めているのに、「釣狐」の後見の話ばかりしているのも
なんだかおかしな感じですが、やはりそれだけ「釣狐」という曲に
秘曲としての格式はもちろん、魅力があり、パワーがあるのでしょう。

さて今回の公演のパンフレットに、宗家の披きのときに頂戴した文章を
ご紹介しようかと、いろいろな方のお言葉を読み返しました。
当時のことを懐かしく思いながら読み、素晴らしい文章がたくさんある中ですが、
やはり自分の思い入れという点では、父・先代宗家の文章に勝る物はありません。

ご来場いただいた方々にはお読みいただきましたが、今日の日記の最後に、
あらためて皆様にご紹介したいと思います。

「完璧ということ

さる九月二十二日の和泉会別会では九代目山脇和泉守元信(法名道甫)三百年忌祭
として催し、十六歳になった元彌に追善の思いを込めて「釣狐」を披かせました。
教える側のすべてをいかに習う側が受け止める力ができたか、そこに披きの意義があり、
釣狐の稽古では終始心の絆が要になります。
教えられたものをそれ以上に膨らませる習う側の感性が
想像を上回る成果を生んだこのたびの釣狐。
今更ながら習うことのなかにこそ完璧というものが存在することを
実感させられた舞台でもありました」


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Date: 2005/08/31(Wed) No. 98


  出雲大社 in 堺市

大阪は堺市での公演!

といっても、ただの公演とは一味違いました。
堺市には、出雲大社の分司があり、そちらの本殿での舞台です。

神様の眼前で勤める舞台は、いつもと違った緊張感がある反面、
不思議な安心感がありました。

お客様も、どこか能楽堂とは違って柔らかな雰囲気で
とても素直な笑い声を返してくださいました。
やはり笑いに敏感なお土地柄なのでしょうか…!?

この日の演目は「福の神」と「附子」。
「福の神」は、年の暮れに2人の参詣人が、出雲大社にお参りをするお話です。
実際の言葉にも「出雲の大社へ、年をとりに参ろうと…」という表現がでてきます。

宗家は、この「福の神」を出雲大社で演じるのが夢の一つだったとのこと、
この日、その夢がかなったそうです!

堺市の東文化会館のオープン記念事業の一環として行われた公演ですが、(写真1枚目は、文化会館でのご挨拶です)
出雲大社の神様に結んでいただいたご縁、きっと末永く続いていくことでしょう。

…そうそう、出雲大社は、ご祭神は実は縁結びの神様でもあります。
私にも良いご縁を…ということで、しっかりお参りもしてまいりました(笑)!
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Date: 2005/07/16(Sat) No. 87


  世界4大喜劇〜イタリア編〜
万博で、初上演となった、世界4大喜劇のひとつ

「コメデイア・デ・ラルテ」

コメデイア・デ・ラルテはイタリアの喜劇ですが、狂言との共通点については、多くの方が指摘されています。

例えば登場人物も、固有名詞ではなく、「アルレッキーノ(=おどけた道化、召使の役)」とか
「パンタローネ(=金持ちのご主人役)」とあり、
狂言の登場人物観と、ぴったり、しっくりくるのです。

そんな中、今回新作狂言に作った「アルレッキーノとレバー」という作品では
これって狂言じゃないの!?と思うほど、狂言の「感性」と同じものを感じました。

三国同盟ではありませんが(笑)、今でもイタリアは親日家が多いと聞きますし、
味覚も近いと聞いたことがあります。
きっと何か、共通するもの、通じ合うところがあるのでしょう。

私にとってもイタリアは、人生で一番長く滞在した異国なので親しみもあり、
文化、芸術、ファッション、人生に対するセンス…なんとなく「にやっ」としてしまう魅力を感じます。
というか、もう理由はわからないのですが、なんとなく、好きなんです!イタリアが!(笑)

…と、新作狂言から少し話は逸れましたが、もともとあまり詳しくご説明したかったわけではなく。

もちろん「笑いは万国共通」という考えは根底にあるのですが、
それだけでなく、さらに強く共感する部分を感じたというか…。
イタリア人と日本人、物事を楽しむ感覚が近いのだなあ、と実感できたこの作品、
多くを語るよりもまずは観ていただきたい!と思っているのです。

きっと年内には、東京でも上演の機会があるはず。
是非ぜひ、その目で確かめていただきたいと思います!

余談ですが、今月のFIGARO japon は、シチリア旅特集。
ついつい手が伸び、買ってしまいました…。
海外公演はあっても、海外旅行はない和泉流宗家ですから、まだまだ夢なのですが
死ぬまでにいつかは行きたい、タオルミーナの街も載っています!
自分でもおかしいぐらい、うっとりしながら、読んでいます。


…この私の愛情、新作狂言にも、どこかで役立っていることを祈ります。



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Date: 2005/07/07(Thu) No. 85


  7月5日 愛・地球博 記念公演

7月5日、万博での記念公演が無事に終了しました!

長久手会場の、日本広場。にっぽん華座と名づけられたステージで
11時から19時半までの間に、3ステージを行いました。

Aプログラム:狂言ワークショップと狂言鑑賞
Bプログラム:世界4大喜劇 新作狂言の会
Cプログラム:狂言ライブ in 愛・地球博

広場に大きなテントを張った会場は、名古屋の猛暑が心配されましたが、
この日は雨も降らず、晴れすぎず、この時期にしてはなかなかのコンデイションに恵まれました。
家族全員、晴れ男・晴れ女を自称しているので、面目躍如といったところでしょうか。

ただし、空調があるわけではないので、舞台に立っているだけで、汗が出てくるといった感じです。
楽屋ももちろんテント張り。
楽屋に戻っても汗をかき、この一日でちょっとやせたのではないか!?と思います(笑)。

さて、残念だったのは、客席には限りがあるため、500名の定員で制限せざるを得なかったことです。
各ステージ、数百人を残して整理券がなくなってしまったそうで、(私達からすると嬉しい限りですが!)
せっかく並んでくださったお客様にお席をご用意できなかったことは、残念でもあり、申し訳なくもありました。

ただ広場でしたから、オープンスペースということで、外から立見でご覧いただいているお客様もあり、
実際には定員よりも多くの方にご覧いただけましたし、万博らしい雰囲気にもしていただけました!

それに、何よりお客様の反応の良いことといったら!
やはりいろいろなことを「楽しもう」という気持ちでいらしているからでしょうか、大きな笑い声をたくさん返してくださいました。
そして、各ステージ、最短で1時間、最長で2時間半の公演だったにもかかわらず
席を立つお客様がいらっしゃらなかったことも、驚きでした!

こういう広場でのステージは、出入自由ですし、他のイベントとの兼ね合いもあるはずなのに。
まして決して快適とは言えない環境で、自分達の舞台を最後まで見守ってくださったお客様には
本当に感謝、感謝です!!

万博という記念すべきイベントに、自分達の狂言が公演の場を持てたこと、
そして素晴らしいお客様を得て、本当に「盛り上がった」公演となったこと
自分達にとって、またとない経験であり、自信にもなりました。

お世話になった万博協会の皆様、ADKの皆様、ご協賛いただいた企業の皆様、舞台制作スタッフの皆様、
まだまだ多くの方のご協力をいただいていると思います。
言い尽くせませんが、心から、感謝いたします!

そして身内ではありますが、企画&プロデユースをしてくれた理事長(母)にも感謝したいと思います。

ありがとうございました!!




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Date: 2005/07/06(Wed) No. 84


  金沢にて〜後半戦・百万石祭り〜

本日後半戦の舞台は、尾山神社です。

実は、今日から日曜日までの3日間、市内では「金沢百万石まつり」が開催されています。

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マメ知識:百万石まつり
加賀藩祖・前田利家公が天象11年(1583年)に金沢へ入城し、
金沢の礎を築いた偉業を偲んで開催されるもの。
今年は第54回になります。
*****************************

以前にも書いたかもしれませんが、おまつりは、本来は神社での神事(おまつり)が主たる行事で、行列や歌舞音曲はそれを祝い、盛り上げるためのものでした。
自分がだんだん、そういう感覚(おまつり=神事)が強くなってきていることに驚きますが、
(むしろ時代に逆行しているような…!?)
この百万石まつりに関しても、なんとなく音楽やパフォーマンス、赤井英和さん扮する利家公の入城行列など、華やかで絢爛豪華な行事もさることながら、それにもまして尾山神社さまでのおまつり(神事)の様子が気になってしまうという…。

昨年は宗家と一緒に、奉告祭で小舞をご奉納させていただきましたが、
今年は、今日の宵宮で、加賀藩お手役者として!!、1人、ご奉納させていただきました。

本当に、ご祭神(前田利家公)にご覧いただくという雰囲気で、静かに厳かな空気の中で、小謡「鮒」と小舞「暁」を勤めていたら、お会いしたこともない(当たり前ですが…)
前田利家公に、お気に召していただけただろうかと、本気で考えている自分がいました。

ご奉納後は、毎月の狂言教室のお稽古です。
温習会を終えて、新しい曲を始めたばかりですが、自習してきたんだろうなあと思わせる出来に、皆さんのやる気を感じて嬉しくなります。

さて夕方6時過ぎ、稽古も終わり、着替えをすると袴の腰板まで汗でびっしょり。
なんだか、今日は1日、金沢市内で狂言三昧。
とても「三宅藤九郎らしい」1日だったのかも、としみじみ袴を眺めてしまいました。


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Date: 2005/06/10(Fri) No. 78


  金沢にて〜前半戦・市内小学校〜

なんだか、日々慌しく過ごすうちに、6月も3分の1が経過してしまいました。

今日は、久しぶりに日記を書く時間ができました。
といっても、1日の内容としては、かなり充実していましたが…。

まずは、朝一番の飛行機で小松へ。
7:35羽田発、約1時間のフライトです。
今日は金沢市内の小学校を3校めぐって、「狂言のお話と体験教室」を開催するために、10時に金沢駅を目指しました。

実は昨年の同じ時期に、金沢市内の小学校4校でこの「狂言のお話と体験教室」を実施しました。
これがなかなかに好評で、今年も実施する運びとなったのです。

…本当はこの時期に限らず、またもっと多くの学校でご希望に応えたいのですが、何せボランテイアでさせていただいている状態。
いろいろな行事にからめて、また学校数も限定でお邪魔せざるを得ません。

今年は菊川町小学校、味噌蔵小学校、金沢西小学校にお邪魔しました。
各学校、基本的には4,5,6年生を対象ですが(菊川町小学校は3年生も)だいたい200人前後と、体育館ではありますが
生の声が届く距離で、本当に「狂言に触れる」教室ができたのではないかな、と思っています。

どちらの学校も、校長先生はじめ、皆様が歓迎してくださるお心遣いが本当にあたたかく有難く。
きっとその気持ちが生徒さんにも伝わって、しっかり狂言に向かい合ってもらえたのだと思います。

それから、狂言をいろんな場所でお教えするたびに、必ず思うことなのですが、
「やっぱり、人間、自分が習ったように教えるようになるものだなあ」と。

お褒めをいただくたびに、師匠である父に感謝すると同時に、自分が教えてもらったことが、いいことだと認めていただけるのならば、できる限り多くの方に還元していかなくては、と思うのです。

今日もそういう「場」をいただけて、有難いことだなあと、ご関係の皆様に感謝しています!

さて、3時半に最後の学校での教室を終了したのですが、
3回の体験教室、全てにについてご案内してくださった方が、驚かれたことがひとつ。
これは舞台に立つ人間の特性かもしれませんが、3回の体験教室とも、トータルの所要時間はもとより、お話しの進行も全て、はかったように同じタイミングで進んでいた!というのです。

体育館には、ステージ側から見えるところに時計がありません。
40分間の時間配分をいちおう考えていきましたが、それが3回とも上手くいったというのは、いやあ、嬉しいことでした。

と、気をよくして、尾山神社へ。今日の後半戦に突入です…!!

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Date: 2005/06/10(Fri) No. 77


  渋谷狂言ライブ〜藤九郎を観る会〜
渋谷狂言ライブ、5月公演。

三宅藤九郎を中心に、ということで、こっそり「三宅藤九郎を観る会」と命名し
自分の中でも、周りに向けても意識を強く持つようにしてきました。

公演予定にも書きましたが、三宅藤九郎がメインになる会というのはかなり珍しいものです!
もちろん、これからはそういった会も増やしていかなくては、と思いますし
そのためにはますます精進をして、観たいと思っていただける狂言師にならなくてはと思います。

その第一歩として、今日の公演を振り返ると…
知人・友人しかわかりませんが「三宅藤九郎を観にいこう!」という形で来られた方が
相当数いてくださいました。
これは、自分にとってはプレッシャーでもありましたが、本当に嬉しく励みになることでした。

中には、会社を立ち上げて以来数年間、平日は24時より前に退社したことがなかったのに、
今日初めて、平日に、19時開演に間に合うような時間に会社を出ていらした、という方も
いらっしゃいました。

本当に、感謝、感謝です!
たくさんの方の気持ちを感じながら、舞台を勤めることができた自分は、本当に
幸せ者だと思います。

月並みですが、狂言師冥利に尽きる、といった思いです。


また、狂言の内容については心の中にしまっておくとして(笑)、それ以外の部分では、実はいろいろ考えました。

三宅藤九郎の会って、どういうものだろう?

「渋谷狂言ライブ」ではありますが、少しだけ「藤九郎の会らしさ」を感じていただけたらなあ、と
いろいろ考えるきっかけになったように思います。

今日はひとまず、三宅藤九郎に関する簡単な資料をお持ちいただきましたが、もしも今後、もっとしっかりと「三宅藤九郎を観る会」と銘打ち公演を催すとしたら、空間そのものを「三宅藤九郎風」にしたい、と思いました。

ロビーから、見所まで、随所に「三宅藤九郎風」を感じていただけるような!

ちなみに今日のパンフレットは、藤色。藤九郎に関する資料も、藤色。
そしてほんの少し、自分の好きな香りをパンフレットに移してみました。
「ほんの少し」過ぎて、気付かれる前に消えていたかも知れませんが(笑)。

ともあれ、「経験は、人を育てる」ということをあらためて実感した公演でした。
これからも、皆様の目と心で、育てていただけますようにお願いしつつ、ひとまずほっとして、
一日を終えることができそうです。

ありがとうございました。
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Date: 2005/05/31(Tue) No. 76


  稽古着も衣替え
今週から、稽古着を浴衣にしました。

今年は5月に入っても、肌寒い日があったり、なかなか暑くならないのかと思っていましたが
今日は稽古をしていると、浴衣でも汗ばむくらいの陽気で、ちょうど良いタイミングの衣替えとなりました。

(この前まであれだけ涼しくて、いきなりこの陽気もいかがかとは思いますが…。)

毎年のことを考えてみると、だいたい5月から、稽古着を浴衣に替えています。
異常気象、異常気象と言われて、確かにおかしな気候だったり、昔と変わったことも沢山あるのでしょうが
なんだか、最終的には自然が上手く帳尻を合わせてくれているような、そんな感じを受けます。

もちろん、ぎりぎりのところで帳尻を合わせているのかもしれないですし、人間が狂わせてしまった
自然環境については、できる限りの改善努力をするべきだと思います。
けれど自然の力は、それをはるかに超えて、有難くも恐ろしく、自然の意思で営みが行われているような気がするのです。

と、それはさておき。

稽古着も、季節ごとに色を変え素材を変え柄を変え、そのたびに
新しい気持ちになります。
いつも着ている浴衣は、有松絞りのもので、多色使いの絞りの浴衣です。
着物よりも気軽ですし身軽ですし(笑)、でも華があるので、稽古のときにしか着ませんが、楽しんでいます。

些細なことですが、日本人で良かったなあ、と、思う衣替えでした。


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Date: 2005/05/19(Thu) No. 71


  5月3日〜宇多須神社〜
GW後半、5月3,4,5日と私はご奉納三昧の、大変ありがたい3日間を過ごさせていただきました。

その第1日目、皮切りとなったのが

金沢市内、宇多須神社(うたすじんじゃ)大祭での奉納小舞です。

宇多須神社は金沢城から見て、卯辰の方向にある卯辰山のふもとにある神社で、前田利家公から歴代藩主が祭られている、三宅藤九郎家にとっても大変ゆかりの深いお社です。

毘沙門さんとも呼ばれ、「毘沙門さんのびしゃびしゃ祭り」と言われるほど、お祭りの日には雨が多いのだそうです。

昨年11月、明治以降、尾山神社に祭られるようになった前田利家公の御神体を、分霊してあらためて宇多須神社にお祭りする「合祀祭」が執り行われましたが、確かにそのときも、結構な雨でした。

ですがこの日はすっきりとした快晴!
年に一度の大祭が、すがすがしい空の下、厳かに執り行われました。

神事の中で、狂言小舞「土車」を奉納させていただきましたが、非常に緊張しました。
ご奉納は、ただでも自分が神様に試験をされているようで緊張するのですが、
宇多須神社さまでは(前述した11月の合祀祭でのご奉納のときもそうだったのですが)、神事の間中、なぜか!神職の皆様と同じ場所に控えているのです。
この環境で、緊張しないでいられましょうか!

ちょっと想像していただきたいのですが、お祓いなどで神社に行かれると、拝殿に入ってすぐ、一番低いところで、お祓いを受けられると思います。
えーと、一番奥にご神体があって、その手前に太鼓や御幣が置いてある段があり、その更に手前というか下のところに、自分達がいるイメージです。

実際に段が設けられているところも多いので「段」という表現を使うと、
すぐ上の段というのは、宮司さんや禰宜さんが祝詞を奏上されたり、雅楽を奏でられたり、ご奉仕をされているところです。
つまり、神様にお仕えしている方々のエリアとでも言いましょうか、そんなイメージが自分の中にはありました。

そういうところに、なぜか、自分がいるのです!
11月のお祭りのとき、それに気付いたときはかなりの衝撃でした。

なんだか「間違い探し」とか「仲間はずれを探せ!ゲーム」みたいでもありましたが(笑)。

ただ、昔の狂言師は、こうだったのだろうな、とも思いました。
もともと狂言は神様に捧げる芸能であったわけですし、和泉流の流祖は近江の国、日吉大社の神職でした。
また芸能自体が、神を降ろす、芸能者がその依り代になるという意味合いもありますから、狂言を勤めている時やそのためにその場にいるときは、ある意味神職とみなされてもいいのではないかな、と。

その代わり、それに堪えうる自覚と清い心をもって、ご奉納しなくてはいけないものなのだろうと思うのです。

本当に、もったいなくもありがたい経験をさせていただいています。
こんな経験をさせてくださる宇多須神社の宮司様には、感謝以外の言葉はありませんが
それに加えて有名な観光地でもある東山の茶屋町(神社の目の前)に、毎回お散歩に連れて行ってくださるところが、
清濁合わせた感じで、また素敵なところだと思っています(笑)。


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Date: 2005/05/10(Tue) No. 68


  加賀能登狂言教室 温習会
昨日、加賀能登狂言教室の記念すべき第一回 温習会が無事に終わりました!

「第七回 狂言和泉流宗家・能登中島公演〜三宅藤九郎お国帰り〜」と銘打った私どもの公演と併せて、温習会を開催させていただきました。

会場は、毎月の教場でもある「明治の館・室木家(市指定文化財」の奥座敷です。
墨で描かれた松の屏風に、切り出しの青竹で柱をしつらえ、橋掛かりの松も朝5時に切って
いただいたという、ご当地の物。
全てが、手作りです。

会場そのものが、関係者の皆様の暖かい思いがこもった空間でした!
本当に言葉では言い尽くせませんが、皆様、ありがとうございました。

そんな空間で、舞台を勤められる演者としての幸せと、お弟子さんたちの初舞台を見届けられる師匠としての幸せ、2つの幸せを味わわせていただきました。

いつも思うのですが、本番に強いお弟子さんに恵まれて、良かったなあ、と(笑)。
今回も、本番が一番いい出来だったと思います。
…やや「親バカ」ならぬ「師匠バカ」が入っているかもしれませんが、そう思います。

本番に強い、というのは、心が強い、ということだと思います。
もちろん稽古できちんと技術も受け渡しているわけですが、舞台の上でそれを実践できるか、
というのは心の問題です。
自分は、先代宗家から、技術はもちろんですが、その心の強さも稽古の中で教わったと思って
います。
自分もまず心の部分を伝えたいと思っているので、その点でも本当に嬉しい温習会でした。

これからも、教えて嬉しい、習って嬉しい、観て嬉しい…と、関わる全ての方に喜んでいただける狂言教室であるように、励んでいきたいと思います!

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Date: 2005/04/18(Mon) No. 63


  髷が結えるまで
最近、気付いたところではお話をしていますが、宗家と一緒に、髪を伸ばしています。

私はいちおう女性なので、髪が多少長くても、そこまで違和感を感じられることはないようですが、宗家は、何も言わないと「どうしたのかと思いました!」と言われてしまいます。

実は、髷が結えるように髪を伸ばそう!計画が進行中なのです。

和泉流254曲の中に「麻生」という演目があります。
これは舞台上で髷を結うのですが、先代宗家や、祖父である先代の三宅藤九郎は、カツラで演じました。
宗家は、これを地毛で挑戦しようとしています!

で、せっかくなので、「日本室町化計画」の一環として(笑)
演者全員が髷を結えたら面白いのではないか、ということで
「髷が結えるまで髪を伸ばしなさい令」
が発令され、私も幼稚園以来、ロングヘアを目指しています。

髷の結い方にもよると思いますが、今からだと来年中になんとかなるかな?という予想です。
自分としても楽しみですし、髪が長いと少しは女性らしく見えるようで、舞台以外でもちょっと新鮮な気分を味わっています(笑)。

けれど、これから数ヶ月、中途半端な長さをどう乗り切るか、というのが目下の課題です。
いっそ、ショートのカツラが良いのかも!?

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Date: 2005/03/26(Sat) No. 56


  きょうげん・きょんぎん・ちょーぎん
今、札幌にいます。
明日の「第14回 札幌狂言の会〜和泉元彌狂言の世界〜」のためです。

この公演には、さらにサブタイトルがついていて
「和泉流20世宗家和泉元彌きょんぎん復興プロジェクトーきょうげん&きょんぎんツアー札幌公演ー」
といいます。

きょんぎんとは、沖縄県の八重山地方に伝わる伝統芸能ですが、祭事に演じられてきた奉納芸能です。
漢字で書くと、「狂言」です。

実は400年前、本土の狂言が伝来し、そこから石垣島独自の文化や芸能と交じり合い、完成されたものなのです。
つまり、私達の演じる「狂言」とは、親戚、親子のようなものと言えます。

けれども石垣島に伝わるきょんぎんは、今、後継者不足でその存続が危ぶまれています。
ここ10年以上演じられておらず、最後に演じた方も今年で94歳になられます。
今、伝承しなくては、もしかしたらなくなってしまうかもしれない…。

同じ伝統芸能を守る人間として、何かできることはないのだろうか?
そんな思いから、とにかく自分達にできることを考えました。(宗家が(笑))。
そこから生まれたのが「きょんぎん復興プロジェクト」です。

もちろん、石垣島のきょんぎんですから、石垣島の方が演じなくては「本物」になりません。
けれども、私達にも、残された書物を元に、舞台の上で生きた芸能として物語を語り継ぎ、演じることはできます。
まずは方言を現代語に、現代語から狂言に。新作狂言として新しい命が生まれました。

そして、さらに「きょんぎん」オリジナルの石垣島のお囃子…笛、三線、太鼓、唄を加えて。
コラボレーション新作狂言「畠廻るい」の誕生です。

本当にしっくりと、お互いの良さがかみ合ったコラボレーションとなったと思います。
なんというか、沖縄県は独特の文化があるといわれますが、確かに独特でありながら、深いところで通じ合っていることを感じます。
日本の文化の幅広さと奥深さを感じつつ、さらにそれを包み込む大きな共通項があることを感じるのです。

ぜひ皆様にも、この大きな「日本文化」を、体感していただきたいなあと思います。

というわけで石垣島から始まった「きょうげん&きょんぎんツアー」も、札幌で7都市目を数えます。
これから大垣市、豊田市、そして川崎市でも公演の予定です。

川崎では、沖縄本島のお囃子を継承されている弦友会の皆様との共演、つまり「ちょーぎん」(「狂言」の沖縄本島でのかたち)とのコラボレーションも加わり、
「きょうげん&きょんぎん&ちょーぎんツアー」として行います!

ますます広がる「文化の輪」といった感じですが、今回の「きょんぎん復興プロジェクト」は私達にとって、はもちろん、狂言にとっても大きな経験であり、財産となると思っています。

いつの日か、石垣島の言葉で、石垣島の方によって「きょんぎん」が盛んに演じられることを楽しみに、今は多くの方に「きょうげん&きょんぎん」という形で親しんでいただくべく、まず明日の札幌公演、頑張ろうと思います。


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Date: 2005/03/13(Sun) No. 53


  シェイクスピア・カントリーパーク〜その2〜

シェイクスピア・カントリーパーク公演のご報告、その2でございます。

春の公演では、狂言だけでなく南房総の自然を満喫!
イチゴ狩り&花摘みなどの、お楽しみがついています。
自然豊かな時代に生まれた狂言を、自然豊かな土地で楽しむ。
心も体も、のびのびとして、素朴ですが贅沢な時間だなあと思います。

3月8日(火)
朝食の後、10:30出発。
まずはイチゴ狩りです。いつものS農園さんへ。

コンデンスミルク入れと、ヘタ入れが一緒になった容器をいただいて、いざハウスへ。
(私はコンデンスミルク、つけないのですが…)
毎年のことですが、やっぱり美味しいです!!
しっかり赤く、甘〜くなるまで蔓についているわけですから、それもそうか!

ですが、どうやら肥料にも秘密があるらしい…。むむ。
それから、この時期を過ぎて暖かくなりすぎると、酸味が出て、すっぱくなってしまうそうです。
暖かいほうが甘くなりそうなイメージがあったので、びっくりでした。

さすが、いい時期に公演に行ってます(笑)。

さて、イチゴを堪能した後は花摘みへ。
こちらも毎年、おなじみの農家さんです。
いつもご家族そろって迎えてくださるのですが、今年はお孫さんの成長にびっくり!きちんとご挨拶をして迎えてくれました。

「大きくなられましたね〜。」と、私達もまるで親戚のようです(笑)。

ありがたいことに、切っていい本数を、ちょっとオマケしてくださるのですが(ここだけの話です!?)、
それだけでなく良いのを選んでくださったり、上手い切り方を教えてくださったり。本当に至れり、尽くせり。
皆様の優しさにすっかり甘えて、シアワセな気持ちになりました。

今年の一押しは、オレンジ色のストックでした。
オレンジといっても柔らかい色で、本当に可愛らしいお花です。

キレイなのはもちろん、なんといっても、参加した方から「お花の持ちが違う」という声を沢山いただきます。
何が違うかはわかりませんが、やっぱりお花が「元気」なのでしょうね。

また来年も!とお約束して、カントリーパークに向かいました。
第33回となるこの日の公演も無事に終わり、夏の予定を打ち合わせして、帰途についたのでした。

ちなみに、車で約2時間。
自宅に着いたのは深夜の1時過ぎですが(出発が遅かったので…)
アクアラインができてから、随分近くなりました。

本当にスタッフやお会いする方、皆様が、優しい方々ばかり。
土地や名産、名物よりも、この素敵な皆様が、丸山町には大きな財産なんじゃないかな??と思いました。

どうぞ皆様も、心の洗濯に、次の機会にご同行くださいませ!
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Date: 2005/03/12(Sat) No. 52


  シェイクスピア・カントリーパーク〜その1〜

3月7日・8日とシェイクスピア・カントリーパークでの公演を終えてきました!

千葉県は安房郡、丸山町に「シェイクスピア・カントリーパーク」はあります。
シェイクスピアの生まれた町、ストラットフォード・アポン・エイボンの建築をそのまま再現した公園です。
無料で公開されている公園エリアと、有料の資料展示エリアがありますが、どちらも素敵な雰囲気です。

公園はとにかく花で溢れていて、自然と顔がほころび、私でも優しい気持ちになれます(笑)!
あ、それからお庭の池にはカモがいて、えさをあげることもできるのでこども達も大喜びです。
お天気が良いと本当に気持ちよくて、特にこの時期は最高のシーズンです。

このカントリーパークでの公演も、基本的には年4回(春2日、夏2日)で
毎年恒例となっています。
今回の公演で、なんと32・33回を数えました!
先代がシェイクスピアの戯曲を新作狂言に作ったご縁で、この交流が始まりました。

一昨年には和泉流宗家記念館も完成し、公演もシェイクスピアの演目に限らず、
これまでにかなりの曲数を上演してきました。
狂言そのものが定着してきているようで、本当に嬉しいことだと思います。
公演の会場である「シアター」は小ぢんまりとした作りで、能楽堂よりもずっと近い距離で
ご覧いただけます。
演者としては嬉しくもあり、また緊張もひとしおです。
今回も、初めてのお客様が大きな笑い声を返してくださって、本当に気持ちのいい舞台でした。

千葉の方は、反応がいいのかも…と思ったりして。

さて毎年春と夏に公演を行っているわけですが、春は南房総の春満喫!ということで、
「和泉流宗家の面々とともにイチゴ狩り・花摘みツアー」も催行しています。
自分達が一番楽しんでいるのではないかと思いますが(笑)、今年もしっかり、楽しませて
いただきました!

せっかくなので、イチゴ狩り&花摘みは「シェイクスピア・カントリーパーク〜その2〜」として、
たっぷりご報告しようと思います。

明日も、お楽しみに(笑)!
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Date: 2005/03/11(Fri) No. 51


  2月狂言ライブを終えて
昨日、2月の渋谷狂言ライブが無事終了しました。

宗家の久々の上演となる「木六駄」は、見ごたえ十分の演目でした。
太郎冠者物の大曲と言われるだけはあり、雪山を12頭の牛を追いながら超えていく様をたった一人で演じきる場面は、本当に圧巻です。

さて、そんな緊張感のある場面のあとは、峠の茶屋で進物のお酒を飲んでしまうという、なんとも狂言らしい楽しい展開に続きます。

私はその峠の茶屋を勤めたわけですが、
茶屋も、最初は雪が深くて人通りがないのはわかっていながら、それでも店を出さなくてはいけないと、足取りも重く峠へ向かいます。

一番最初に、舞台に雪を降らせるのは、実は茶屋なのです。

シテとアト、と分けてしまえばそれまでですが、それぞれにやり甲斐があり、見せ場もあるのが狂言の良いところです。

ひとまず無事に(当然ですが)、また現時点では納得のいく舞台を終えることができました。
もちろん、これからもっともっと、精進を重ねてよい舞台をご覧いただきたいと思いますが、
大曲は、演じる機会もご覧いただく機会も、そう多くありません。
是非、より多くの方に、「いま」というチャンスを逃さずに見ていただきたいと思います!

・・・ちなみに5月のライブは「藤九郎を中心に観る会」です。
今から覚悟をして臨みたいと思いますが、どうぞこの「数少ないチャンス」もお見逃しなく(笑)。



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Date: 2005/02/19(Sat) No. 40


  狂言デジタルマンガ
明日、狂言のデジタルマンガが公開されます(予定)!

デジタルマンガ??
といってもなかなかピンと来ないと思いますが・・・。
狂言と同様、「百聞は一見に如かず」で、言葉で説明するのは難しいものがあります。

まずは、見ていただくことをおすすめします(笑)。

その名も「アソブ研究所」と名づけられたサイトで、
1月の狂言ライブを取材に来てくださった「鑑賞レポート」が、マンガになり公開されるのです。

■[ アソブ研究所 ] ■
skypeをアソブ! Nintendo DSをアソブ! 体験談をレポート!! 
http://www.asoblab.jp/index.html


私も監修をさせていただく中で、こうしたら楽しさが伝わるかな、マンガだったら
これもできるかな・・・と、
いろいろ考えて楽しませていただきました!

でも何と言っても、「お客様の目」で見つけていただいた狂言の楽しさが、感想・実感として、
しかも、「デジタルマンガ」というまったく新しい媒体を通して伝わる、
というのは本当に凄いことだと思います。

今回、狂言とデジタル・・・という関係を考えたときに、ふと、
可能性が広がるのは狂言だけではないのだな、と思いました。

デジタルでどこまで何ができるか。
いわば相反する「生」の芸能の魅力を、デジタルならではの力で、どう伝えられるか、
という可能性を見たような気がしました。

ま、もちろんマンガですし、狂言も喜劇。
楽しんでみていただくのが一番です。

ただ、そんな「可能性」を見ることができて、ただ面白いという以上の物を感じさせてもらえた
なあ、と嬉しく思っています!


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Date: 2005/02/17(Thu) No. 39


  福笑いトーク
渋谷、セルリアンタワーから1分。
lo-d(ローデイ→www.lo-d.net)というお店で、「和泉流宗家を励ます会〜節分福笑いトーク〜」が行われました。

明日からの中越地震被災地へのお見舞いの前に、壮行も兼ねてのごくごく身近な方たちとの会でした。

普段はこじゃれたダイニング・バーですが、今日はうって変わって「和」な雰囲気・・・?
というか、自分達だけが「和」だった気もしますが(笑)、それも不思議といい感じのミスマッチだったのではないかと思います。

お店は通りに面した1階で、カウンターには陽光が気持ちよく、奥のソファ席はちょっとラグジュアリな感じです。

実はこのお店、大型プロジェクターがあり、秘蔵VTRの上映も今日の大きな目玉だったわけですが、
予想以上にこのVTR上映が、良い雰囲気を作っていました。

ちょっとまた、心地よい「狂言」空間を作るべく、いろいろ考な可能性がちらちらと見えてきました。
何ができるかな・・・。うーん。
何かできそうだな・・・。・・・何か、しよう。

そのときには、是非、ご参加下さい!


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Date: 2005/02/11(Fri) No. 36


  元日の風景

新年が明けて早速舞台だったので、なんとなく日にちの感覚がずれていますが…。
今日が、元日。元日の様子です。

和泉流宗家では、昔ながらのお正月飾りはもちろん、おせちもここ30年変わらずに昔ながらのものを準備します。

今年はTBSさんの取材が入りまして、ざっと20人分のおせち&お雑煮を作りました。
お雑煮と言えば、TVなどでご覧になった方からは、必ず「案外質素なお雑煮ですね」と言われます(笑)。

先代宗家は関東風のお雑煮しかいただきませんでしたが、やはり料理は母親の影響が強いもので、私は大垣風(?)の、小松菜と一緒にお餅を煮るお雑煮が好きです。
で、このお雑煮は本当にお餅&小松菜がメインなので、プラスされてもカマボコと三つ葉くらい…と想像していただくと、「質素」でございましょう?
これが大垣風なのか理事長(和泉節子)風なのかはよくわかりませんが、味は確かです!
外見よりも中身重視ということで。

さてみんなが集まると、まず宗家からお屠蘇をいただいて、おせちの後には稽古始と謡初めが続きます。
お正月にふさわしい、おめでたい一曲で今年が始まります。
今年からは、姪のあやめ(2歳8ヶ月)と慶子(2歳)も参加です。
大人に混じって子供の声が聞こえるのは、何十年ぶりのことだろうかと思うと、本当に感無量でした。

今日のお正月のように、節目の行事、人生の節目もあれば年中行事もありますが、それぞれに意味があって伝えられてきたことですから、これからも守り続けていきたいなと思います。
一年の中で、ただ過ぎていく一日一日ももちろん大切ですが、せっかくの節目です。きちんと祝いましょう!
単にお祭り好きという感もありますが(笑)、一つでも多く何かを感じられる日があるのは、悪くないなと思います。

今日の様子は、1月6日の「ジャスト」(TBS系列午後3時〜)で放送される予定です。
どんな風に編集されるのか、気になるところですが…。
せめてちょっとはキレイに映っているといいなあ(笑)。
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Date: 2005/01/02(Sun) No. 13


  謹賀新年!
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、皆様はどんな年越しをされたでしょうか。
私は和泉流宗家一門として、なんと築地本願寺和田堀廟所で年越し&早速に舞台はじめをして参りました!
杉並区にある和田堀廟所には、父・先代19世宗家和泉元秀が眠っています。また歴代宗家の墓所でもあるその場所で、1年の始まりを迎えられたことは、本当にありがたい限りです。

狂言師としての1年の幕開けには、この上ないものとなりました。

それから、実は家族全員、今日初めて除夜の鐘を撞かせていただきました!
私も初めてですから、どうしていいやらわからず、教えていただくままに「ご〜ん・・・」。
撞き終わってから「あ!何か思いを込めるべきだったのかな!?」(笑)。

鐘楼は、本堂の上、すごく見晴らしのいいところにあります。お天気がいいと富士山がはっきりと見えるそうです。
今日も夜とはいえ、その見晴らしの良さを感じさせる空の近さと、澄んだ空気の中で、鐘の音とともにちょっと心が清くなった思いがしました。
でも、「私の鐘の音が一番良かったかも…」と思っていたあたりで、清くなった分も帳消しになっていそうです。

そんなこんなで除夜の鐘を撞いた後、本堂で奉納狂言を勤めさせていただきました。
自分達にとっても、見てくださった方にとっても、良い「初笑い」となっていれば何よりです。
一緒に年越しをしてくださった方々、そしてご関係の皆様に、今日のご縁を感謝します。

今年1年が楽しく素晴らしいものになりますように。






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Date: 2005/01/01(Sat) No. 12


  公演終了!

六本木ヒルズの公演が、無事終了しました!

けやき坂に面したガラスには狂言の装束を展示して、中には少し小さめですがきちんとした松の背景のある舞台を作って…。
すごく新しい街並みに、日本の伝統的なものが並ぶというのは、想像以上に素敵なことでした。
自分達の装束のことなので、少し憚られますが、やはり歴史のあるものは、どこにあってもその存在感は薄れることもかすむこともなく、何かを「超えた」美しさがあるような気がします。
それに、六本木の街中になんとも不思議な空間を出現させられたのかも!?と思うと、ちょっと嬉しくもあります。

実際ホールへのお問い合わせも多かったそうで、通りがかりの方もガラス越しに取り囲むように足を止めてくださり、本当に手ごたえを感じられる舞台でした!

この様子を是非ご報告したいと思って、写真をとったのですがまだ自分ではアップできなくて。すみません。
これから勉強します!
まあ、こんな私がHPを持つことができるのですから、すごい世の中だなあと思います(笑)。

また皆様にご報告できるような舞台を、たくさん作っていきたいと思います。
まずはそのためにも、今日は英気を養うべくゆっくり眠ることにします。おやすみなさい。

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Date: 2004/12/09(Thu) No. 4


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