髪が伸びて、舞台の上での髪型にも、ひと手間必要になってきています。
といっても、ひっつめてまとめて、結ぶしかできないわけですが。
装束をつけてしまうと、あまり違和感なく、そういう髪型も、昔あったのかな? というように観ていただけるくらいです。
ただ、ここぞ!という舞台の時には、もう一工夫するようにしています。 5月31日の渋谷狂言ライブ〜藤九郎を観る会〜と、6月3日の万博での初舞台。 写真は、万博のときのものですが、エンジの麻ひもを使用しています。
ただ結ばれた髪というのではなく、なにか髷を連想させるように、ひとつの物体=オブジェほど 大きくはありませんが、単なる髪の束ではないイメージのものにしたくて…
ひもで髪をくるくると巻き、ひとつの固体にしてみよう!
と思いついたのでした。 ちなみに、5月31日は水色と白のコンビの紐でした。
もちろん、宗家にお許しをいただいてのことですが、 (「かぶき者の前田公のお抱え狂言師・三宅藤九郎だし」とのコメント付き) 装束の邪魔にならないように、素材も肩衣と同じ麻を、色も伝統色を選びました。
お客様からも予想以上に好評で、やってみて良かった!と思うことができました。 これから髪が伸びていく過程でも、その移り変わりも楽しんでいただけるように、 また皆様に美しいと思っていただける舞台を作るために、いろいろ工夫していこうと思います。
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