ちょっと遅ればせながら。
世界陸上 4日目。 男子400mH 決勝。
日本時間で10日午前4時過ぎから行われましたが、途中仮眠を取りながら待ち続け、 なんとスタートの号砲で目覚め、しっかりリアルタイムで観戦することができました。
準決勝では、着順からはもれたものの、タイムで拾われた為末選手。 長いスランプを経ての、世界陸上の決勝。 準決勝の記録から見ても、今シーズンの持ちタイムを見ても、自己ベストからは遠く メダルからも遠い距離を、多くの人が感じていたかもしれません。
が!
自身のポリシーの通り「1台目のハードルを1番に越える」と、そのまま金メダルの バーショーン・ジャクソン選手とレースを先行、8台目のハードルまでは、2位をキープ! 最後のホームストレートは、粘りに粘って、走る走る! 祈りました、本気で。 「行け!獲れ!」と…。
最後は身体をゴールに投げ出すようにフィニッシュラインをこえた為末選手。 4位のカーロン・クレメント選手とは、胸の差…。
あれは、本当に本当に、諦めなかった気持ちの勝利。
激しい雨と風のため、試合時間にも狂いが生じ、精神的にも物理的にも最悪のコンデイション。 にもかかわらず、しかも決勝の大舞台で、自己のシーズンベストを更新しての、 2大会ぶり2個目の銅メダル!
言葉には言い表せないことがたくさん詰まった、本当に感動するレースでした。
しゃがみこんで泣く姿を見て、思いっきりもらい泣きをしました。 泣きたいだけ、泣いてください! そう思いました。
4年前のエドモントン大会とは違う、いろんなものを背負って、自ら獲りにいった、銅メダル。 1個目よりも、間違いなく重い、銅メダル…!!
1夜あけての表彰式で、日の丸を見つめる為末選手の顔。 不思議な美しさを感じました。 よくいう「いい顔(表情)してますね。」、そんな言葉とは次元の違う、美しさでした。
あれが苦しみも、悲しみも、喜びも、全部をひっくるめた「勝利」を手にした人の、 美しさなのでしょうか。
なぜ自分が、リアルタイムで観戦したいのかが、何となくわかった気がしました。 スポーツの素晴らしさや楽しさは、記録や結果というパフォーマンスにあるのはもちろんですが、 それを生み出す背景にあるもの。 一瞬一瞬の緊張感や、「何か」に打ち勝とうとする心の動きを感じなければ、 「感動」することはできないと思います。 そしてそれは、その空気や時間を共有して初めて、感じることができるものだと思います。
人生の中で、自分で実際に経験できることは限られていますが、いろんな事に共感して、 心の経験値をあげることで、少しでも豊かな毎日になるといいな、と、ふと思いました。
何はともあれ、おめでとうございました!!
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