太郎冠者(たろうかじゃ)

狂言を代表する登場人物、と言っても過言ではないでしょう。冠者とは成人男性のことを意味しますが、狂言の太郎冠者といえば召使のこと。怠け者だったり、お酒好きだったり、でも主人想いだったり…とにかく人間味溢れる登場人物です。

召使だけあって短い袴、そして肩衣と袴の柄も揃っていません。けれどもこの太郎冠者の肩衣は、シンプルな舞台に彩を加え、時には背景の役割を果たすことも。何より狂言の装束の、斬新でダイナミックなデザインを楽しむことができます。ちなみに位の高い男性は上下そろいの柄の装束を身に着けています。